ここではロボット工学のオイラー角とロール・ピッチ・ヨウ角について図を使いながら解説します。
ロボットアームの機構
まず初めに、ロボットアームの機構について大まかに3種類あることを知っておいてください。
それは
- 関節が伸び縮みする「直動タイプ」
- 関節が回る「回転・旋回タイプ」
です。
この機構は1関節で伸び縮みの直動や回転といった1動作するため
「1自由度の関節」と呼ばれます。
これらの関節を組み合わせることでロボットのアームを作ることができます。
ロボットの座標変換
ロボットの基準座標と物体座標
はい、ここからが本題ですが、ロボットの基準座標系と物体座標系です。
ロボットの剛体の位置と姿勢を表現するため基準となる座標系Σ0とこの基準座標系から平行移動した物体座標系をΣAとしたときそれぞれの座標系は
Σ0={ x , y , z }
ΣA ={ xA , yA, zA }
となります。
図で表すとこんな感じです。
pは基準座標系から物体座標系までの位置ベクトルを表し
p = [ px , py , pz ]の転置
で表せます。
転置は1×3行列を3×1行列に変えてあげるだけです。
よってこの位置ベクトルは
p = pxx + pyy + pzz
と表せるので覚えておきましょう。
ロボットの回転移動
続いて、座標系Σ0が回転したときの回転行列を見ていきましょう。
回転行列にはx軸回転、y軸回転、z軸回転の3種類があり、それぞれ以下のように表せます。
この回転行列はかなり頻繁に使うので覚えておきましょう。
図のように回転するので、回転軸となる行列部分は値が変化しません。
回転している軸はプラスマイナスを考慮すると上式のように表されます。
オイラー角
また、これを利用した「オイラー角:Euler angles」という任意の姿勢を三つの回転変数で表したものがあります。
オイラー角は基準座標系Σ0に対して
- 最初にz軸まわりに角度Φ回転
- 次にy軸周りに角度θ回転
- 最後にz軸周りに角度φ回転
したものを表します。
要は
z-y-zの順で回転させたものがオイラー角だ
という理解で大丈夫です。
ロール・ピッチ・ヨウ角
さらに、回転角として「ロール・ピッチ・ヨウ角」もよくつかわれ、回転後の回転の様子と行列は下記で表されます。
ロール・ピッチ・ヨウ角は回転順序を
- z軸回りの回転(ロール:roll)
- y軸回りの回転(ピッチ::pitch)
- x軸回りの回転(ヨウ:yaw)
としたときの回転を表します。
これも要約すると
z-y-xの順で回転させたものがロール・ピッチ・ヨウ角だ
という認識で大丈夫です。
以上がロボットアームを扱う上での基礎中の基礎になる「オイラー角」と「ロール・ピッチ・ヨウ角」なので覚えておきましょう。
お疲れ様でした。