ここでは「Adobe Photoshop 2021」を使って上記の画像手順を紹介する記事となります。
作成手順が分かりやすいように、12枚の画像を用いて「分かりやすく」を重視しました。
学べる内容
✔ HDRトーン
✔ 2階調化とハイパス
✔ 油彩、グラデーション
今回はこれらの要素を使いつつ作成していくので
という方は是非一緒に作ってみましょう!
また
という方は実際に手を動かしながら学んでみるのも良いと思います。
今回はせっかくなのでPhotoshopで作ったアニメ風のイラストをプロフィール画像にしてみました。
作成に使用する画像は「Pexels」というサイトからダウンロードできるので皆様が使用したい画像を選んでみましょう。
*無制限で無料ダウンロード、メアドなどの新規登録不要です。
使用画像は上記サイトから「街」、「雲」というキーワードから探すことが可能です。
僕はこの画像をプロフィールにしたいので、予め僕自身を写真から切り取り背景写真と結合させたものを使って使用介していきます。
人物が一人いるかいないかの違いなので、アニメ風イラストの作成手順には全く影響しないので、皆さんもこの際プロフィール画像として作っているのも面白いと思います。
それでは始めていきましょうか。
HDRトーンを使ってアニメ風の色調にする
Photoshopで使用する画像を開きましょう。
鍵マークがついている場合は鍵マークを外し、レイヤーをラスタライズしておきましょうね。
Photoshopで読み込んだ画像レイヤーの名前を「背景」と変更しておき
「イメージ」→「色調補正」→「HDRトーン」をクリックします。すると下図のようなウィンドウが開きます。
Photoshopで使用する画像によって値は異なりますが、今回は
HDRトーンの値
半径:190px
強さ:1.5
ガンマ:1.20
露光量:+0.15
ディテール:+30%
シャドウ:+30%
ハイライト:―17%
自然な彩度:+70%
彩度:50%
としました。
値の設定が完了したらOKをクリックして適用させましょう。
HDRトーンを適用させたレイヤーを基準としてアニメ風のイラストに近づけていきます。
各種マスクでアニメ風味を出す準備をする
アニメ風の色調の元となる色味は先ほどHDRトーンで作成しましたね。
このレイヤーをWindowsの方は「Ctrl+J」、Macの方は「Command + J」で3つ複製します。
複製したレイヤー名はそれぞれ「建物用」、「線画用」、「油絵」と直しておき、マスク用のレイヤーを作成していこうと思います。
建物用マスクを作成する
まずは建物(今回は道路も含む)のみに色味を追加できるように建物と空とで白黒に分けていきます。
「建物用」レイヤーを選択した状態で、「イメージ」→「色調補正」→「2階調化」を選択し「2階調化する境界のしきい値:190」とします。
このしきい値はあくまでも目安ですので、建物と空が白黒でしっかりと分かれる値を選んでください。
この建物用のレイヤーは後程、建物に青色を足してアニメ風イラストへ近づけるために使います。
線画用のマスクを作成する
続いて「線画用」レイヤーを選択した状態で「フィルター」→「その他」→「ハイパス」を選択します。
ハイパスの「半径:0.2~0.5」の値にするとプレビュー画面で薄っすら画像の輪郭が表示されていることが確認できます。
今回は「半径:0.3pixel」としました。
ただこのままだと灰色で塗り潰されたレイヤーとなってしまうので、線画風イラストにするために「イメージ」→「色調補正」→「2階調化」を選択します。
「2階調化する境界のしきい値:128」としてOKをクリックすると下図のように線画イラストになります。
これでアニメ風イラストへ色味を加えるためのマスク準備が整ったので、色味のあるレイヤーを作成していきます。
油彩・カラーを使いアニメ風の色彩を出す
ここからは画像へアニメ風の色彩を出すためのレイヤーを作成していきます。
油彩レイヤーでアニメ風味を引き立たせる
アニメ風のイラストと言われたら、油彩を使って雰囲気を出していくのが定番となります。
まず「油絵」のレイヤーを選択して、「フィルター」→「表現手法」→「油彩」をクリックします。
今回は
油彩の設定例
形態:7.0
クリーン度:3.8
拡大・縮小:2.0
密度の詳細:4.0
としました。
設定できたらOKを押して適用させましょう。
*デバイスドライバーを更新してください!といった注意ウィンドウが表示され油彩が適用されない場合は、「Windowsキー + X」で「デバイスマネージャー」を開き、「ディスプレイ アダプター」からデバイスドライバーの更新を行ってみてください。
建物へ青色を塗ったレイヤーを作成する
続いて、建物のみに青色がかかるようなレイヤーを作成していきます。
まずは「Ctrl+Shift+N(macの方はCommand+Shift+N)」またはPhotoshop右下の「⊞マーク」をクリックして新規レイヤーを作成します。作成したレイヤーの名前は「コントラスト」や「建物:乗算」などとしておきましょう。
「建物用」レイヤーを「チャンネル」パネルの「◌マーク」をクリックし、Windowsの方は「Ctrl+Shift+I」、Macの方は「Command + Shift+I」で選択範囲を反転させます。
そうすることで、建物のみを選択範囲として選択できたことになります。
「レイヤー」パネルに戻り「コントラスト」レイヤーを選択したら、描画色を「#1385ff」として塗りつぶしツールで塗りつぶしましょう。
塗りつぶしツールを選択したら、画面をクリックすると選択した描画色で上図のように塗りつぶしてくれます。
選択範囲を「Ctrl+D」(macの方はCommand + D」で解除して次へ進みましょう。
では、次に進む前にお知らせです。
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線画にも色味をつけてアニメ風へ
先ほど建物レイヤーでしたことと同様に線画にも青色をつけていきます。
「Ctrl+Shift+N」もしくはPhotoshop右下の「⊞マーク」をクリックして新規レイヤーを作成し「線画・乗算」と名前を変更しておきます。
次に「線画用」の線画レイヤーを選択した状態で「チャンネル」パネルへ進み「◌マーク」をクリックします。
「Ctrl+Shift+I」で選択範囲を反転すると「建物の線画」部分が選択されるので「塗りつぶしツール」を使って線画にも「描画色:#1385ff」をつけましょう。
べた塗りとグラデーションでアニメ風の明るさを加える
アニメ風の雰囲気づくりとして全体に青色の「べた塗り」レイヤーを作成しておきます。
Photoshop右下の「◒斜めマーク」をクリックして調整レイヤー一覧を開き「べた塗り」を選択します。
すると「カラーピッカー(べた塗りのカラー)」が開くので、青色を選択して青色でべた塗りしましょう。
また、新規レイヤーを「グラデーション」と名前をつけて作成したら「グラデーションツール」を選択して、オプションバーの「線形グラデーション」を選んでおきます。
グラデーションバーをクリックすると「グラデーションエディター」が開くので、下記の手順に従って「水色-白」のグラデーションを作成しましょう。
①左下の「カラー分岐点」からカラー部分をクリックして「水色」にする
②右上の「不透明度の分岐点」をクリックして不透明度を「0%」にする
③プレビューで「水色→透明」が確認できたらOKを押す
設定ができたら、下図のように「下から上」へドラッグしてグラデーションを適用させましょう。
描画モード等でアニメ風イラストを仕上げる
ここまででかなり準備が長く大変だったと思いますが、あとは簡単です。
色調のあるレイヤーの「描画モード」、「不透明度」、「塗り」をそれぞれ変えてアニメ風に仕上げます。
Photoshopで読み込んだ画像によって各レイヤーの「不透明度」と「塗り」を変えてオリジナルのアニメ風イラストを作成しましょう。
今回作成したアニメ風イラストでは下記の値で仕上げているので参考にしてください。
各レイヤーの参考モードと値
グラデーション / モード:オーバーレイ、不透明度:35%、塗り:100%
べた塗り / モード:覆い焼きカラー、不透明度:40%、塗り:70%
線画・乗算 / モード:乗算、不透明度:35%、塗り:50%
コントラスト / モード:乗算、不透明度:40%、塗り:60%
油絵 / モード:オーバーレイ、不透明度&塗り:100%(今回はレイヤーマスクで調整)
また、HDRトーンで作成した背景レイヤーに対して、空と建物をレイヤーマスクで分けることで「空模様」を新たに追加することが可能です。
「背景」レイヤーに対して「空/背景」を分けるレイヤーマスクを作成して、レイヤーマスクのサムネイルを「Ctrl+クリック」します。
そうするとレイヤーマスクの選択範囲を選択した状態になるので、「油絵」のレイヤーを選択して「レイヤーマスクを作成」を押せば「背景」で作成したレイヤーマスクをコピーすることができます。
今回は油彩が強いなと思ったので「油絵」レイヤーのレイヤーマスクをブラシツールの不透明度を変えて調整しました。
あとは「トーンカーブ」や「色相・彩度」を加えて仕上げれば完成です。
~さいごに~
いかがでしたか?
最初は時間がかかると思いますが、慣れてこれば必要なレイヤーを覚えられると思うので様々な画像で試してみてください。
また、カラーピッカーで選択する色をオレンジ色にすれば、夕日のアニメ風イラストを作ることができるので、そちらにチャレンジしてみるのも良いかと思います。
お疲れ様でした。