ここでは「Adobe Photoshop 2020」を使って上記の画像手順を紹介する記事となります。
作成手順が分かりやすいように、13枚の画像を用いて「分かりやすく」を重視しました。
学べる内容
✔ フィルターギャラリー
✔ 不透明度を使った合成
✔ ハイパスを使った輪郭強調
✔ 水彩画の合成と色調補正:白黒
今回はこれらを使って作成していくので
という方は是非一緒に作ってみましょう!
また
という方は実際に手を動かしながら学んでみるのも良いと思います。
作成に使用する画像は「Pexels」というサイトからダウンロードできるので皆様が使用したい画像を選んでみましょう。
*無制限で無料ダウンロード、メアドなどの新規登録不要です。
それでは始めていきましょうか。
フィルターギャラリーの設定
まずはPhotoshopで操作するための下準備をしていきます。
今回はフルーツの画像を使うので素材のダウンロードをしましょう。(お好みの画像を使ってみてください)
素材の準備ができたら、Photoshopで開き、レイヤーを選択した状態で右クリックして
「スマートオブジェクトに変換」をクリックします。
これは元画像を壊すことなくフィルターでの加工をすることができるようになるもので、サムネイルの右下にアイコンが表示されます。
続いて「Ctrl+J(macの方はcommand+J) 」で複製し、下図のように名前を変更します。
ここからは階調_01のレイヤーにフィルターをかけていくので、「ディティール」のレイヤーは非表示にしておきます。
フィルターギャラリーのスタンプを使用
上記の下準備ができたら、左側のツールパネルから「描画色と背景色」の設定を「黒/白」にしておきます。
*下図の左側の赤枠で黒色と白色になっている箇所
上図の赤枠で囲っている「スタンプ」は
「フィルター」→「フィルターギャラリー(G)・・・」から「スケッチ」の「スタンプ」をクリックすることで適応できます。
フィルターギャラリーウィンドウの右側にある
明るさ・暗さのバランス:47
滑らかさ:5
に設定をしてOKをクリックします。
そうすると、白黒の画像に変わります。
このままでは白黒のモノクロ画像になってしまうので、色を着色していきます。
階調_01のレイヤーを選択した状態で「レイヤーをダブルクリック」します。
すると「レイヤースタイル」ウィンドウが開くので、「カラーオーバーレイ」を選択し
描画モード→「スクリーン」
色:お好みで(今回の画像はオレンジなので、茶色)
を設定します。
*上手くレイヤースタイルが表れない場合
文字の近くでダブルクリックすると「名前の変更」になってしまいます。
したがって、名前と被らない右端あたりでダブルクリックすると上手くレイヤースタイルが開くと思います。
不透明度を変えて合成する
先ほど作ったフィルターギャラリーだけでは物足りないので、レイヤーを増やして見栄えを良くしていきましょう。
下準備として階調_01を「Ctrl+J」で追加で2つ複製し「階調_02、_03」を作成しておきます。
*Photoshopでは名前の書いてある部分をダブルクリックすることで「名前の変換」ができます。
明るさ・暗さのバランスを変更
各階調_01~_03には「フィルターギャラリー」という項目があります。(下図の赤枠)
*フィルターギャラリーがない場合
✔ レイヤーの右端の「V」をクリックして隠れている内容を展開する
✔ そもそもスマートオブジェクトになっていない
という可能性があるので、確認してみてください。
Photoshopは機能が多い分ので、何回も実践して覚えるのが良いかと思います。
各階調_01~_03のレイヤーの「フィルターギャラリー」をダブルクリックして「フィルターの設定画面」を開きます。
そしたら各階調_01~_03を以下のように設定します。
明るさ・暗さのバランス設定
・階調_01:47
・階調_02:45
・階調_03:22
*この値は作成する画像や好みによって変えてもらって構いません。
上図のようなイメージになっていれば概ねOKです。
不透明度を変更
続いて不透明度を変えて、色の濃淡を変えていきます。
変更する不透明度は
階調_02、_03を共に不透明度を25%にします。
階調_01の明るさ・暗さのバランスが「47」と高く、濃淡(白黒)がハッキリしていました。
その上に階調_02、_03を載せたことで濃淡がかかっていない部分がありましたが、不透明度を下げることで「階調_01」の明るさ・暗さを活かした色味にすることができます。
伝わらなかった方は下図を見てもらった方が早いと思うので、どこが違うか間違い探しをしてみてください。
ハイパスを使い輪郭を強調する
まずは結合状態の画像を新規レイヤーとして作成します。
「Altキー」+「Ctrl+E」で選択したレイヤー
「Altキー」+「Ctrl+Shift+E」で表示されたレイヤー
に対して結合状態の画像を新規レイヤーとして作成することができます。
つまり、「Altキー」を付け加えることで新規レイヤーとして結合できるということです。
結合されたレイヤーを選択した状態で
「フィルター」→「その他」→「ハイパス」を選択します。
下図のように半径(R)を10~15pixelに設定してOKをクリックしましょう。
ハイパスの設定が終わったら、描画モードを「ソフトライト」に変更し輪郭を強調します。
*この手法は「アニメ風イラスト」でも線画使用にするときに使うので覚えておきましょう。
仕上げの合成と色調補正
仕上げとして、水彩画のイラストを用意し合成していきます。
もちろん色調補正も行い、完成度を高めていきます。
水彩画の準備
まずは下図のような水彩画を用意し、描画モードを「ハードライト」にします。
位置や向きが気になる場合は水彩画レイヤーを選択した状態で
「Ctrl+T」を押すことで大きさや向きを変えることができます。
色調補正:白黒で濃度を調節
上記の準備では水彩画の水色が残るので、白黒へ変換していきます。
「イメージ」→「色調補正」→「白黒」(もしくはショートカットキーの「Alt+Shift+Ctrl+B」)を選択してグレースケール化していきます。
白黒を選択すると下図のようなウィンドウが開くので水彩画の色が白黒に近くなるように各パラメータを調整します。
今回の水彩画は水色なのでブルー系の割合を「-5%」まで落としました。
また水彩画とオレンジの画像で不要な部分があれば、消しゴムツールで消してしまいましょう。
ディティール&調整レイヤーでの仕上げ
最後にディティールと調整レイヤーを使って最終仕上げを行っていきます。
ディティールを2つ複製して計3つのディティールを準備します。
各ディティールの描画モードを
描画モード
1つ目:ピンライトやビビッドライトなど画像にあうモード
2つ目:色相
3つ目:彩度
に設定をします。
これらのモードにすることで色の微調整を行いました。
また今回の手描き風イラストは全体的に明るさが強い上に、まだ彩度が弱い気がしたので
・明るさ・コントラスト
・レベル補正
・自然な彩度
を追加しました。
明るさ・コントラストは程よい明るさになるように、下げました。
レベル補正は感覚的に見栄えが良くなるように調整。
自然な彩度は上げることで、色味をよくしました。
これで完成です。
~さいごに~
今回メインで活躍したのは「フィルターギャラリー」です。
これらを複数組み合わせることで簡単に手描き風イラストに近づけることができます。
是非一度試してみてはいかがでしょうか。
また、Photoshopを使って
Photoshop未経験だけど、実践的な内容を効率良くマスターしたい
グラフィックデザインに本格的に取り組みたい
画像編集を実例を交えつつマスターしたい
という方は「株式会社シーモスデザイン」さんの技術系通信講座「Photoshop CC 通信講座」がオススメです。
お疲れ様でした。