ここではUbuntuの入った「Raspberry Pi 4 Model B」を使って、冷却ファン、ヒートシンクの有無でCPU温度はどれくらい変化するのかを比較検討したので紹介します。
この記事を読むことで
CPU温度をグラフ表示するパッケージ
各項目でのCPU温度の比較検証結果
を知ることができるので、Raspberry PiのCPU冷却に何が適しているかを知りたい方は、是非最後までご覧ください!
それでは早速始めていきましょう。
CPU温度検証条件と準備
CPU温度検証の基本的な環境は以下の通りです。
動作環境
マイコン:Raspberry Pi 4 Model B
OS:Ubuntu
周辺温度:室温25℃
接続:Windows 10からSSH
季節や室温の変化によって検証結果に差が出る可能性があること、ご容赦ください。
検証時期は2021/5月曇りで室内にて行っています。
Raspberry Pi の稼働状況
まずは、Raspberry Piの稼働状況を統一しておきます。
稼働状況は
ターミナル1:turtlesim_node(ROS2)
ターミナル2:draw_square(ROS2)
ターミナル3:rqt_graph(ROS2)
ターミナル4:psensor(温度表示)
となっています。
Raspberry PiのCPU冷却項目
続いて、Raspberry PiのCPUを冷却する項目を紹介します。
25mm×25mm冷却ファン
冷却ファンのsmallサイズとして3.3V、5Vと入力を変えて比較・検証します。
30mm×30mm冷却ファン
冷却ファンのLargeサイズとして3.3V、5Vと入力を変えて比較・検証します。
Raspberry Pi B+用ヒートシンク
手持ち無沙汰になっていた、Raspberry Pi B+用ヒートシンクの有無で比較・検証します。
ヒートシンクの形状はプレート型になります。
ヒートシンク+冷却ファン
冷却ファンの上にCPUクーラーを置いて、比較・検証します。
Raspberry Piへ温度グラフ化パッケージのインストール
続いて、Raspberry Piに温度表示・グラフ化パッケージをインストールします。
ターミナルを開いて
と入力してpsensorをインストールします。
インストールが終わったら、下記のコマンドを実行してみましょう。
すると、Psensor – Tempreature MonitorというGUIウィンドウが開きます。
チェックボックスのON/OFFでグラフの表示/非表示を切り替えることができます。
SSHでRaspberry Piへ接続している場合は、XmingなどのGUI表示用アプリケーションを使うのが良いと思います。
Raspberry Pi CPU温度の検証結果
それでは、早速Raspberry Pi CPU温度の検証結果を紹介していきます。
ちなみに、Raspberry Piのみ、かつノード実行を何もしていない状況では
temp1:51℃
CPU usage:1%
と高いCPU温度を示しています。
また、Raspberry Piのみ、かつ上記の稼働状況(ノード実行時)では
temp1:54℃
CPU usage:16%
とノード実行なしと比べて、より高いCPU温度を示しています。
このことを念頭に、各項目でCPU温度がどれくらい変わるのかを確認してみましょう。
各項目ごとのCPU温度とグラフ
25mm×25mm冷却ファン
まずはSmallサイズの冷却ファン3.3Vでの結果です。
temp1:44℃
CPU usage:13%
とCPU温度がRaspberry Piのみと比べ10℃ほど低くなっていることが分かります。
Smallサイズの冷却ファン5Vでの結果です。
temp1:39℃
CPU usage:14%
とCPU温度が3.3Vと比べ5℃ほど低くなっていることが分かります。
入力電圧の違いでCPU温度が5℃も差が出ることが分かります。
30mm×30mm冷却ファン
続いてLargeサイズの冷却ファン3.3Vでの結果です。
temp1:38℃
CPU usage:11%
CPUクーラーが大きいことから、3.3Vでも効率の良い冷却ができていると言えますね。
Largeサイズの冷却ファン5Vでの結果は
temp1:36℃
CPU usage:14%
とCPU温度が一番小さい値を示しました。
ですが、5Vにすると騒音がかなり気になるので、使う場面が限定されてしまうかもしれません。
ヒートシンクのみ
Raspberry Piにヒートシンクを取り付けた場合は
temp1:53℃
CPU usage:15%
となり、Raspberry Piのみと比較しても気休め程度しかCPU温度が変わりませんでした。
ヒートシンク+冷却ファン大
ヒートシンク+Largeサイズの冷却ファン3.3Vでの結果です。
temp1:38℃
CPU usage:13%
とCPU温度が2番目に低い値となりました。
Raspberry PiのCPU温度比較・まとめ
上記の検証結果をまとめてRaspberry PiのCPU温度を比較してみましょう。
この表・グラフから、Largeサイズの冷却ファンが一番CPU温度を下げることが分かります。
また、ヒートシンクは放熱効果を促進するものであって、CPU温度を下げている訳ではないことも分かります。
以上のことから
と言えるでしょう。
サンプル数や、試行回数が少ないデータなので100%正しいとは断言できませが、この比較・検証も参考にしていただければ幸いです。
お疲れ様でした。